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2006.11.16

外商投資企業の監事会設置

「外商投資企業の審査批准登記管理法律の適用に関する若干問題の執行意見」の重点条項に対する解説 国家工商総局外資局 (2006年9月22日)

中国の「会社法」、「会社登記管理条例」及び関連する外商投資法規を適切に適用するため、「外商投資企業の審査批准登記管理法律の適用に関する若干問題の執行意見」を2006年4月24日に国家工商行政管理総局、商務部、税関総署、国家外貨管理局の連名で公表した。

本解説は、「執行意見」の運用過程で提起された、「会社法」及び関連する外商投資法規に関連する問題に対して、統一的な見解を示している。

中国に進出している外商投資企業に関係する問題としては、「監事会」の設置と「連絡事務所(弁事機構)」の登記問題がある。

以下、二回に分けて要点を説明する。

外商投資企業における監事会の設置

中国の「会社法」は、株式会社又は有限責任会社に監事会の設置を義務付けている。ただし、株主数が比較的少数又は規模が比較的小さな有限責任会社は、1~2名の監事を置くことができ、監事会を設置しないことができる。

2006年1月1日以前に設立された外商投資企業に対しては、即時に定款の修正を強制しないが、定款及び登記事項の変更時に法令に従った記載が求められることになる。

大多数の日系中国現地法人は、規模が比較的小さいと判断されるため、会議体としての「監事会」を設置しないことが認められるものと解されるが、監事を置くことが最低限義務付けられたといえる。

監事がどの程度真面目に任務を遂行するにもよるが、従来に比べて手間と費用がかかることは確かである。上場企業の中国現地法人であれば、親会社が実施する連結内部統制(いわゆるJSOX)や内部監査と関連付けたり、コンプライアンス強化の流れの中で、監事設置の義務化を前向きに考えるべきものと考える。

ただ、上場企業であっても、大半の日系中国現地法人は、「費用削減」と「利益極大化」に注力しているため、監事を建前上設置するだけで、実効性を伴わないことは容易に想像がつく。監査や内部統制のコストを原材料や部品代と同等に考えている時点で、中国の経営リスクを過少に評価しており、経営者としては脇が甘いと言わざるを得ない。

不正や法令違反、粉飾決算などが発生した場合、監事の監督責任だけでなく、親会社取締役の監督責任も間接的に問われる可能性がある。重要性のある中国子会社は、この際に内部統制やコンプライアンスといったものを見直す必要があるものと考える。

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